【燕岳】初雪の合戦尾根と憧れの燕山荘泊!北アルプスの女王に会ってきました
「一度は泊まってみたいなあ、燕山荘」。私たち夫婦のあいだで、ずっと出ていた話題です。燕岳(つばくろだけ)は「北アルプスの女王」とも呼ばれる人気の山。その稜線に建つ燕山荘(えんざんそう)は、登山を始めた頃から気になっていた山小屋の一つでした。
向かったのは2022年10月下旬。小屋締めも近い、シーズン終盤です。「もう雪があるかもね🤔」と、チェーンスパイクをザックに入れて出発しました。
ルートは、中房温泉(なかぶさおんせん)から燕山荘までのピストン。1泊2日の小屋泊登山です。途中には「北アルプス三大急登」に数えられる合戦尾根(かっせんおね)が待っています。私たち夫婦にはドキドキの行程でした。
結論から言うと、大満足😁。うっすら雪をまとった白い稜線、槍ヶ岳に沈む夕日、翌朝のご来光とモルゲンロート。「やっぱ山っていいなあ」を全部詰め込んだような2日間になりました。
📋 結論からひとこと
初雪の燕岳と燕山荘泊は、憧れ以上の絶景づくしでした。
10月下旬は登山道の上部に雪がつき始める時期。私たちはチェーンスパイクを使わずに歩けましたが、防寒と滑り止めの準備は必須だと感じました。

燕岳って、どんなところ?
燕岳は、長野県の北アルプス(常念山脈)にある標高2,763mの山です。白い花崗岩(かこうがん)の山肌と、ハイマツの緑のコントラストが美しく、「北アルプスの女王」と呼ばれています。日本二百名山にも選ばれている山です。
山頂周辺には、風化した花崗岩の奇岩がにょきにょき。なかでも有名なのが、本当にイルカそっくりの「イルカ岩」です。夏には高山植物の女王・コマクサの群生地としても知られていると言われています。
そして登りごたえの面では、中房温泉からの合戦尾根が「北アルプス三大急登」のひとつに数えられています。急登ではあるものの、道はよく整備されていて、ベンチや山小屋で区切りながら登れます。そのため「北アルプス入門の山」として紹介されることも多いようです。
もうひとつ触れておきたいのが、10月下旬という時期のこと。この頃の燕岳は里の紅葉と山の初雪が同居する季節で、稜線の朝晩は氷点下まで冷え込みます。防寒着と滑り止め(チェーンスパイクや軽アイゼン)を持ったうえで、直前の積雪情報の確認が欠かせない時期です。
今回の山行データ(YAMAPより)
📊 今回の山行データ(YAMAPより)
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 燕岳(2,763m)・北燕岳 |
| 日付 | 2022年10月26日(水)〜27日(木) 1泊2日(燕山荘泊) |
| 活動時間 | 12時間3分(2日間合計) |
| 歩行距離 | 約12.0km |
| 累積標高差 | ↑1,558m ↓1,492m |
| コース難度 | きつい(合戦尾根の急登。ただし道はよく整備されています) |
標高差1,500m超えは、私たちにとってはなかなかのボリューム。それでも1泊2日に分ければ、へっぽこ夫婦でも無理なく歩くことができました☺️。
アクセスと駐車場のこと
登山口は中房温泉登山口。安曇野の市街地から、くねくねの山道(県道中房線)を車で40分ほど登った先にあります。登山口の手前に第1〜第3駐車場があり、あわせて130台ほど停められます。私たちが行った2022年当時は、いずれも無料でした。
平日の朝7時前でしたが、駐車場にはすでにたくさんの車が。さすがは人気の山です。紅葉シーズンや週末は早朝に満車になることも多いそうなので、時間には余裕を持って向かうのがおすすめです。
⚠️ 注意点
登山口に最も近い第1駐車場は、2025年4月から有料化されたそうです(第2・第3は無料)。運用は変わることがあるので、お出かけ前に最新情報をご確認ください。
1日目:北アルプス三大急登の合戦尾根
朝7時ごろ、中房温泉登山口を出発。空は気持ちのいい快晴です。登山口のまわりはまだ紅葉が残っていて、黄色く色づいた木々が見送ってくれました。


合戦尾根には、第1ベンチから第3ベンチ、富士見ベンチと、休憩ポイントがほどよい間隔で現れます。「次のベンチまでがんばろう」と目標を刻めるので、急登のわりに気持ちが折れません。三大急登と聞いて身構えていましたが、順調に高度を上げていけました。
第三ベンチのあたりから、登山道の脇にうっすら雪が現れ始めました。

「合戦小屋まであと10分」の看板が見えたら、お楽しみはもうすぐそこ。

10時過ぎ、合戦小屋に到着です。合戦小屋といえば夏のスイカが名物ですが、この時期のお目当ては温かいおしるこ。冷えた体に甘さがじんわり染みわたります☺️。


合戦小屋から上は、本格的に雪の世界へ。とはいえこの日はまだ積雪が浅く、チェーンスパイクをつけるほどではありませんでした。それでも凍った箇所を踏まないよう、一歩一歩慎重に進みます。
合戦沢の頭まで来ると、視界がぱっと開けました。振り返れば、雪化粧した山々がずらり。疲れが一気に吹き飛びます。


そして12時ごろ、今日のお宿燕山荘に到着しました。私たちにしては珍しく、ほぼコースタイム通り。気温が低くて歩きやすい時期だったのが、よかったのかもしれません。

イルカ岩に会いに、燕岳山頂へ
チェックインを済ませ、荷物を小屋にデポ。身軽になったところで、燕岳の山頂を目指します。燕山荘から山頂までは、白い砂礫(されき)の稜線歩き。うっすら雪も積もっていたので、慎重に歩きました。

そして出ました、名物のイルカ岩。本当にイルカが海面からジャンプしているみたいで、後ろには槍ヶ岳。「よくできてるよなあ」と、ふたりでしばし撮影タイムです。

14時ごろ、燕岳(2,763m)に登頂です!山頂からは360度の大パノラマ。表銀座の縦走路はもちろん、遠くには富士山までくっきり見えました。



せっかくなので、ここから少し足を伸ばして北燕岳の山頂も踏んでおきました。歩く人が少ないぶん静かで、燕岳を振り返る眺めが素晴らしかったです。


景色をたっぷり堪能して、15時半ごろ燕山荘に戻ってきました。

憧れの燕山荘と、槍ヶ岳に沈む夕日
ここで少しだけ、燕山荘の話を。燕山荘は1921年(大正10年)創業と言われる、北アルプスでも指折りの歴史ある山小屋です。「泊まってよかった山小屋」として名前が挙がることも多く、山好きの間では憧れの存在なんですよね。
実際に泊まってみると、その人気ぶりに納得。館内は木のぬくもりがあって清潔ですし、スタッフさんの気配りも行き届いています。食堂でいただく夕食もおいしくて、山の上にいることを忘れそうになりました。ケーキが楽しめる喫茶室があるのも、うれしいポイントです。

そして何より、この立地。小屋の目の前が展望台のようなもので、夕飯までのんびり景色を眺めて過ごしました。夕食後にもう一度外に出ると、ちょうど槍ヶ岳のそばに夕日が沈んでいくところ。空がオレンジ色に染まっていく時間は、何度見ても特別です。


日が落ちると、気温は一気に真冬並みに。ダウンを着込んでも震えるほどでしたが、この寒さも含めて「シーズン終盤の北アルプスに来たんやなあ」としみじみしました。
🕐 1日目のざっくりタイムライン
7:00ごろ 中房温泉登山口を出発
快晴。ベンチを刻みながら合戦尾根へ
10:00過ぎ 合戦小屋でおしるこ休憩
このあたりから登山道にも雪がちらほら
12:00ごろ 燕山荘に到着・チェックイン
珍しくほぼコースタイム通り!
14:00ごろ 燕岳登頂 → 北燕岳へ
イルカ岩・富士山の遠望も
15:30ごろ 燕山荘に帰着
夕飯と、槍ヶ岳に沈む夕日を堪能
2日目:ご来光とモルゲンロート
翌朝は夜明け前に起き出して、小屋の前でご来光を待ちます。眼下には雲海が広がり、空が少しずつオレンジ色に染まっていきました。寒さで足踏みしながらも、目が離せません。

太陽が顔を出すと、今度は振り返った山々がほんのり赤く染まるモルゲンロートの時間。雪をまとった稜線と、朝日に照らされる燕山荘。この景色を見られただけで、泊まりで来た甲斐がありました。


体が冷え切ったところで、お待ちかねの朝食。温かいごはんとお味噌汁が、五臓六腑に染みわたります。食後は喫茶室でコーヒーをいただきながら、のんびりくつろぎタイム。こういう「山の上の贅沢」ができるのも、燕山荘ならではですね。


名残惜しいですが、荷物をまとめて下山開始。下りは雪の箇所だけ気をつけつつ、合戦小屋、ベンチと順調に高度を下げて、11時半ごろ中房温泉登山口に帰ってきました。


締めは温泉とソフトクリーム
下山後のお楽しみは、登山口すぐの中房温泉「湯原の湯」。2日分の汗と疲れを、源泉かけ流しのお湯でさっぱり流します。露天のお湯にゆっくり浸かって、ふたりして「極楽~」でした。
お風呂上がりには、ソフトクリームをぺろり。雪の稜線を歩いてきた口に、冷たい甘さが不思議とよく合います。最後までおいしい山行でした。

🕐 2日目のざっくりタイムライン
6:00ごろ ご来光とモルゲンロート
雲海の向こうから朝日が昇る
7:00ごろ 朝食と喫茶室でのんびり
8時半ごろ下山開始
9:20ごろ 合戦小屋を通過
雪の区間は慎重に下る
11:30ごろ 中房温泉登山口に下山
湯原の湯とソフトクリームで締め
🏔️ まとめ
初めての燕岳は、初雪の稜線、イルカ岩、槍ヶ岳に沈む夕日、そして雲海からのご来光と、思い出したらきりがないほどの絶景づくしでした。憧れだった燕山荘も期待以上で、「人気があるのには理由がある」と実感した1泊2日でした。
合戦尾根は急登ですが、道は歩きやすく、休憩ポイントも豊富です。小屋泊でゆっくり行程を組めば、私たちのようなへっぽこ夫婦でも大丈夫。ただし10月下旬は雪と冷え込みが本格化する時期なので、防寒と滑り止めの準備、そして直前の情報確認だけはお忘れなく。
