北アルプス

【西穂独標】2,701mで決めた「引き返す勇気」。西穂山荘泊の1泊2日

おいじ@登山
独標にて。眼下に広がる大雲海

「行動時間も比較的少なく、本格的な岩の山に行きたい!」。私のひとことから始まった今回の計画。目的地は、北アルプスの西穂高岳(にしほたかだけ)です。

プランは1泊2日の小屋泊。1日目に新穂高ロープウェイで一気に標高を上げて、通年営業の山小屋「西穂山荘」まで歩きます。そして翌朝、ご来光を目指して暗いうちから山頂アタック、という計画です。

西穂高岳といえば、独標(どっぴょう)から先は岩場・鎖場が続く、なかなか手ごわい山。私たに夫婦にとっては、ちょっと背伸びした挑戦。

結論から言うと、今回は山頂に立てませんでした。でも、この山行は私の中で「正解」だったと思っています。その理由も含めて、レポートします。

📋 結論からひとこと

西穂高岳の山頂には届かず、独標(2,701m)で撤退。それでも「引き返す勇気」を学べた、忘れられない山行になりました。
ロープウェイの空中散歩、西穂山荘の名物ラーメン、そして夜明けの大雲海。撤退してもなお、お釣りがくるほどの2日間でした。

西穂高岳って、どんなところ?

西穂高岳は、長野県松本市と岐阜県高山市の境にそびえる標高2,909mの山です。北アルプス南部、あの穂高連峰の一角を担う岩の峰です。

この山の大きな特徴は、新穂高ロープウェイを使って標高2,156mの西穂高口駅まで一気に上がれること。そこから樹林帯を歩けば、約90分ほどで西穂山荘に着きます。北アルプスの稜線としては、かなりアクセスしやすい部類だと思います。

ただし、やさしいのはここまで。山荘から先は、丸山→独標→ピラミッドピーク→山頂と続く岩の稜線で、独標から先は岩場や鎖場が連続する上級者向けルートと言われています。独標までなら経験を積んだ初中級者でも歩けますが、その先は転滑落事故も多い区間だそうです。私たちも、そこは肝に銘じて臨みました。

今回の山行データ(YAMAPより)

📊 今回の山行データ(YAMAPより)

項目データ
山名西穂丸山(2,452m)・西穂独標(2,701m)※山頂は撤退
日付2024年9月26日(木)〜27日(金)・1泊2日
活動時間約9時間39分(2日間合計)
歩行距離約16.0km
累積標高差↑1,789m ↓1,787m
コース難度独標まではふつう(独標から先は上級者向け)

ロープウェイで標高を稼げるとはいえ、2日間で16km。数字にすると、なかなか歩いた気がしますね。

1日目:新穂高ロープウェイで西穂山荘へ

鍋平駐車場から、新穂高ロープウェイで空中散歩

車を停めたのは、鍋平(なべだいら)の登山者用駐車場です。新穂高ロープウェイは麓の新穂高温泉駅からも乗れますが、登山などで長時間停める場合は、中間駅「しらかば平駅」に近い鍋平エリアの駐車場を使うのが基本ルールになっています。駐車場からしらかば平駅までは歩いてすぐでした。料金や予約の要否はエリアによって違うようなので、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。

鍋平駐車場(P8)に到着
P8に停めました。近くの公園にトイレもあります

駐車場から見上げると、青空に山並みがくっきり。「これは期待できるかも」と、テンションも上がります。😃

大きなザックを背負って新穂高ロープウェイ乗り場へ

しらかば平駅からは、第2ロープウェイで西穂高口駅へ。このロープウェイ、日本で唯一の2階建てゴンドラとして有名なんだそうです。眼下には新穂高温泉の谷。標高2,156mまで、わずか数分の贅沢な空中散歩でした。

ロープウェイから見下ろす蒲田川の谷
ロープウェイからの眺め

西穂高口駅から樹林帯を歩いて西穂山荘へ

西穂高口駅の展望台からは、これから向かう西穂の稜線が見えます。ギザギザの岩峰が連なる姿は、迫力満点。「あそこ、ほんまに登れるのかな😱……」と、ちょっと弱気になる眺めでもあります。

車窓から見える険しい岩稜
かなり険しそうですね😱

10時40分ごろ、登山口から歩き始めました。

西穂山荘へ樹林帯の登山道を進む

「これより登山道」の看板を過ぎると、観光地の雰囲気から一転、静かな樹林帯の道になります。

「これより登山道」の注意看板

道はよく整備されていて歩きやすく、12時前には今日のお宿「西穂山荘」に到着しました。標高2,367m。北アルプスでは唯一、1年を通して営業している山小屋だそうです。

そしてお楽しみは、名物の「西穂ラーメン」。標高2,300m超えの山小屋なのに生麺を使っているそうで、飛騨高山ゆかりの細ちぢれ麺がスープによく絡みます。歩いたあとの体に、この一杯が染みるんですよね。

西穂山荘名物の「西穂ラーメン」
名物の「西穂ラーメン」😋

午後はのんびり、きぬがさの池までお散歩

さて、時間はまだお昼過ぎ。翌朝のアタックまで、かなり時間が余ってしまいました。そこで周辺散策がてら、「きぬがさの池」まで歩いてみることに。

正直に言うと……特に見るものはありませんでした(笑)。暇だったもので。ただ、このあたりは上高地から西穂山荘へ上がってくるルートの途中。「上高地から来ると、こんな道を歩くんだね」と、次回の計画の参考にはなりました。

山荘に戻ったら、相部屋でまったり仮眠。17時ごろの夕飯をいただいて、翌日の西穂アタックに備えて早めに就寝しました。

西穂山荘の夕食

2日目:未明の山頂アタックと撤退の決断

未明4時、ヘッデンの灯りで山頂アタックへ

翌朝は4時ごろ山荘を出発。真っ暗な中、ヘッドライトの灯りだけを頼りに、まずは西穂丸山を目指します。

実はこの日に備えて、妻のヘッデンを電池式からバッテリー式にパワーアップしておきました。光量がぜんぜん違うんです。夜明け前の行動が多い方には、本当におすすめです。

未明、ヘッドライトを点けて出発
ヘッデンパワーアップしました🤩

4時半ごろ、西穂丸山を通過。

暗闇の中の「西穂 丸山」の標柱

ここから先は岩がゴロゴロした道になり、危険な岩場を慎重に抜けて、5時すぎに西穂独標(2,701m)に到着しました。

夜明け前の稜線の標柱と山影

独標で1時間の作戦会議。決断は「撤退」

独標に立って空を見上げると……なんとも怪しい空模様。楽しみにしていたご来光も、厚い雲に阻まれてしまいました。

雲がかかるどんよりした西穂方面の岩稜
なんかどんよりしてるし・・🥲

ここから先は、岩場・鎖場が連続する危険ルート。途中で雨にでも降られたら、へっぽこ夫婦の手には負えません。しかも、なんだか体調も思わしくない。

独標から望む雲海と山並み

「どうする?」「せっかく遠くから来たしなあ……」。独標の上で、6時まで悩みに悩みました。そして出した結論は――撤退です!🫡

まわりには山頂へ向かう人も多かったのですが、この空模様では山頂に立っても景色は期待できないだろうし、リスクに見合わないと判断しました。西穂高岳の山頂は、次回へのお楽しみに取っておきます。

⚠️ 独標から先は本当に別世界

独標から西穂高岳山頂までは、両側が切れ落ちた岩稜帯が続きます。天候が少しでも怪しいときや体調が万全でないときは、引き返す判断が大切です。「山は逃げない」を合言葉に、無理せず楽しみましょう。

撤退のご褒美は、夜明けの大雲海でした

「残念!」と言いながらふと目線を下げると……眼下には見事な雲海が広がっていました。青い朝の光の中、雲がゆっくりと谷を流れていきます。

流れ込む雲海と緑の尾根
独標での記念撮影(ヘルメット装着)

山頂は踏めなくても、この景色が見られただけで来た甲斐がありました。悔しさ半分、絶景のご褒美半分。こういうところも山の魅力ですよね。😗

夜明けの空と雲海に浮かぶ山々
明るくなった稜線を西穂山荘へ戻る

すっかり明るくなった帰り道、西穂丸山でしっかり記念撮影。空一面のうろこ雲が、秋の到来を告げていました。

「西穂 丸山」の標柱で記念撮影
丸山の標柱と背後の山並み

山荘に戻り、ロープウェイを乗り継いで、10時前には下山完了。帰りのゴンドラから眺める穂高の稜線に、ふたりでリベンジを誓いました。😤

西穂山荘付近から望む山並み
無事山荘に帰還しました
新穂高ロープウェイで下山

締めはお気に入りの「ひがくの湯」で温泉&ランチ

下山後のお楽しみは、新穂高温泉の日帰り湯「ひがくの湯と登山者食堂」。私たちのお気に入りの立ち寄り湯です。開放感たっぷりの露天風呂で、2日分の汗と疲れをさっぱり流しました。

その名のとおり「登山者食堂」を併設していて、メニューがとにかく豊富。お風呂上がりにしっかりランチをいただいて、大満足で帰路につきました。新穂高で山を下りたら、ぜひ寄ってみてほしい場所です。

下山後のお楽しみ「ひがくの湯」の入口
お気に入りの「ひがくの湯」

🕐 ざっくりタイムライン(1泊2日)

【1日目】10:40ごろ 西穂高口駅から登山開始

鍋平駐車場→ロープウェイで標高2,156mへ

12:00前 西穂山荘に到着

西穂ラーメン→午後は散策と仮眠、17時夕食で早めに就寝

【2日目】4:00ごろ 山荘を出発

ヘッデンの灯りで西穂丸山(4:30ごろ通過)へ

5時すぎ 西穂独標(2,701m)に到着

空模様と体調をにらんで6:00に撤退を決断

10:00前 下山完了

ロープウェイで下山→「ひがくの湯」で温泉&ランチ

🏔️ まとめ

初挑戦の西穂高岳は、独標での撤退という結果に終わりました。それでも、ロープウェイの空中散歩、西穂山荘の名物ラーメン、そして夜明けの大雲海と、思い出はしっかり持ち帰ることができました。何より「引き返す勇気」を実践できたことが、私たちにとっては一番の収穫だったと思います。

西穂独標までなら、ロープウェイと山小屋泊を組み合わせて、北アルプスの岩稜気分をしっかり味わえます。「穂高はまだ早いかな」と思っている方も、まずは独標を目標に計画してみてはいかがでしょうか。もちろん、天気と体調には十分ご注意を!

管理人
管理人
駆け出しブロガー
はじめまして、「おいじ」です。
40代になってから、夫婦でのんびり登山を始めました。体力に自信があるわけではありませんが、「まだ見ぬ景色に出会いたい」という気持ちで、マイペースに山を楽しんでいます。
最近はカメラにも挑戦中の初心者です。
このブログでは、アラフィフの無理しない登山や装備、夫婦登山のあれこれを、同じ目線でゆるっと綴っています。
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