【唐松岳】はじめての北アルプスで大雲海のご来光!八方尾根から1泊2日

「そろそろ、北アルプスに行ってみない?」。低山である程度の山行をこなしてきた私たち夫婦が、ついに憧れの北アルプスへ挑戦することにしました。記念すべき1座目に選んだのは、初心者向けに定評のある唐松岳(からまつだけ)です。
テントは持っていないので、山小屋泊の1泊2日。途中までリフトが使えるので、体力的にも余裕ができそうです。紅葉も見たくて、時期は9月末に決めました。

天気予報とにらめっこしながら、いざ決行。ところが道中には、まさかの熊の親子との遭遇が待っていたのでした……。
それでも結論から言うと、初めての北アルプスは大正解。翌朝に山頂で見た大雲海とご来光は、一生忘れられない景色になりました。
📋 結論からひとこと
はじめての北アルプスに、唐松岳を選んで大正解でした。
リフトのおかげで体力に余裕を持って歩け、稜線に出れば白馬連峰の大迫力。翌朝は見渡す限りの大雲海からのご来光と、初めての雷鳥にも出会えた、ごほうびだらけの1泊2日でした。
唐松岳って、どんな山?
唐松岳は、長野県白馬村と富山県黒部市の県境にそびえる、標高2,696mの山です。北アルプス北部・後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の一角にあります。

登山ルートとなる「八方尾根」は、山頂から四方八方に尾根が延びていることが名前の由来とも言われています。リフトを使えば標高1,830mから歩き始められるため、「北アルプス入門の山」として人気だそうです。まさに私たちにぴったりでした。
今回のルート:八方尾根コース
八方池山荘から八方尾根をたどって山頂を目指す、王道の往復ルートです。途中にある八方池は、水面に白馬三山を映す絶景スポットとして有名で、観光で訪れる方も多い場所です。

道はよく整備されていて危険箇所は少なめ。とはいえ八方池山荘から山頂までの標高差は約870mあるので、しっかり登山です。
アクセスは2通り:ゴンドラの八方駅 or 車で黒菱へ
起点の八方池山荘へは、行き方が2つあります。ひとつは、八方駅から「八方アルペンライン」(ゴンドラリフト「アダム」+リフト2本)を乗り継ぐ方法。麓に大きな駐車場があり、いちばん一般的なルートです。
もうひとつは、車で黒菱林道を上がり、標高1,500mの黒菱駐車場(無料・約200台)から「黒菱ライン」のリフト2本(黒菱第3ペアリフト→グラートクワッド)で上がる方法です。私たちは車を黒菱に止めました。ゴンドラ経由よりリフト代が少し安く済むのも、うれしいポイントです。

⚠️ リフト・林道の営業期間に注意
黒菱ラインの営業は例年7月上旬〜10月中旬ごろで、黒菱林道は冬期閉鎖されます。リフトの営業時間も日によって変わるので、最新情報は白馬八方尾根の公式サイトで必ず確認してください(この記事は2019年9月末時点の体験談です)。
稜線に建つ「唐松岳頂上山荘」
今回お世話になったのは、山頂直下の稜線に建つ唐松岳頂上山荘。標高約2,620m、1932年創設という歴史ある大きな山小屋です。
山頂まで歩いて20分ほどという立地で、夕陽もご来光も楽しめる最高のロケーションでした。営業期間や料金、予約方法などの最新情報は、公式サイトでご確認ください。
今回の山行データ(YAMAPより)
📊 今回の山行データ(YAMAPより)
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 唐松岳(からまつだけ・2,696m) |
| 日付 | 2019年9月30日(月)〜10月1日(火)・1泊2日(唐松岳頂上山荘泊) |
| 活動時間 | 11時間40分(うち休憩 約1時間50分) |
| 歩行距離 | 約13.4km |
| 累積標高差 | ↑1,352m ↓1,353m |
| コース難度 | きつい(YAMAPコース定数31) |

リフトのおかげで、1日あたりの負担は控えめ。初めての北アルプスでも、無理のないペースで歩けました。
1日目:ギルドのような山荘から、ガスの八方尾根へ
黒菱からリフトを乗り継いで
車を黒菱駐車場に止めて、10時45分ごろ行動開始。黒菱第3ペアリフトとグラートクワッドを乗り継ぐと、あっという間に標高1,830mの八方池山荘に到着です。文明の力、ありがたい。

山荘前では、たくさんの登山者が出発準備の真っ最中。まるでRPGに出てくるギルドのような活気で、こちらまでワクワクしてきます。11時10分ごろ、いよいよ登山開始です。

木道の先の人気スポット・八方池
歩き始めは木道が整備された、とても歩きやすい道です。観光で来られた軽装の方も多く、のんびりした雰囲気でした。

八方ケルンを越えて、12時10分ごろ八方池に到着しました。観光メインの方はここまでで、この先は登山装備が必要になります。この日はガスが多く、名物の「逆さ白馬三山」はお預けでした。

紅葉の登りと扇雪渓
八方池から先は、ガスの中を紅葉を眺めながらの登りです。色づいた草木がガスにけむる様子も、それはそれで幻想的でした。


13時30分ごろ、扇雪渓でひと休み。9月末とあって、雪渓はほとんど溶けていました。
まさかの熊の親子と、初めての雷鳥
丸山ケルンを過ぎてしばらく進んだところで、事件が起きます。前を歩いていた妻が、突然固まりました。「……熊!」

なんと20mほど先に、熊の親子がいたのです。妻は熊と目が合ったそうです。かなり焦りましたが、幸い熊はこちらに関心がない様子。距離を保ったまま、静かにその場を離れました。
⚠️ 熊との遭遇について
北アルプスでも熊との遭遇は珍しくないそうです。熊鈴を鳴らして人の存在を知らせる、万一出会っても背を向けて走らない、など基本の対策は頭に入れておきたいですね。
その後、すれ違った登山者の方が「この先に雷鳥がいますよ」と教えてくれました。人生初の雷鳥との対面です。熊のドキドキも忘れて、ふたりで大興奮でした。

稜線に出ると、白馬連峰が目の前に!
樹林帯を抜けて稜線に出ると、目の前に白馬連峰が広がりました。今まで登ってきた低山とは、スケールがまるで違います。雲がだいぶ上がってきていましたが、それがかえって迫力を増していました。


15時すぎ、唐松岳頂上山荘に到着。チェックインを済ませて外に出ると、ちょうど夕陽の時間です。雲の隙間から差す光を眺めながら、明日のご来光への期待がふくらみました。





🕐 1日目のタイムライン
10:45 黒菱駐車場からリフトで出発
黒菱第3ペアリフト→グラートクワッドを乗り継ぎ
11:10 八方池山荘から登山開始
ギルドのような活気の中、八方尾根へ
12:10 八方池
ここから先は登山装備の世界
13:30 扇雪渓で小休止
雪渓はほとんど溶けていました
14:00 丸山ケルン
この先で熊の親子と遭遇…!
15:08 唐松岳頂上山荘に到着
チェックインを済ませて夕陽タイム
2日目:見渡す限りの大雲海と、ご来光
ヘッドライトの灯りで山頂へ
2日目は、ご来光を見るために5時前に山荘を出発。ヘッドライトの灯りを頼りに、山頂までの約20分を登ります。

5時10分ごろ、唐松岳山頂(2,696m)に登頂。初めての北アルプスの頂です。

大雲海からのご来光に、ただ圧巻
空が白みはじめると、眼下には見渡す限りの大雲海が広がっていました。やがて雲の海の向こうから、真っ赤な太陽が昇ってきます。

「すごいね……」「すごいねえ……」。ふたりとも、同じ言葉しか出てきません。このスケールの大きさは、低山では味わえないものでした。

振り返ると、朝日に照らされた頂上山荘が眼下に見えます。山頂から見下ろす山荘の赤い屋根は、とても絵になる光景でした。


雲の上を歩く、ごほうびの下山路
ご来光を堪能して山荘に戻り、下山準備。前日とは打って変わって、頭上には青空が広がっています。
7時ごろ、下山開始。雲海より高い稜線を歩いていると、まるで雲の上をお散歩しているような感覚になります。

登ってきた道をそのまま戻りますが、晴れた朝の八方尾根は、登りとはまるで別の景色。昨日は見られなかった展望を、たっぷり回収しながら下ります。

八方池山荘でしばし休憩して、リフトで黒菱へ。11時20分ごろ、無事に下山完了です。


🕐 2日目のタイムライン
4:49 ヘッドライトで山荘を出発
ご来光を目指して、暗闇の中を山頂へ
5:10 唐松岳山頂に登頂・ご来光
見渡す限りの大雲海に、ふたりで圧巻
7:03 山荘に戻って下山開始
青空の八方尾根を、雲の上を歩く気分で
9:35 八方池
10:42 八方池山荘で休憩し、リフトへ
11:20 黒菱駐車場に下山完了
初めての北アルプス、無事ゴール!
🏔️ まとめ
初めての北アルプスだった唐松岳。熊の親子にヒヤリとする場面もありましたが、初めての雷鳥、白馬連峰の大迫力、そして大雲海からのご来光と、ごほうびが次々に降ってくる1泊2日でした。低山で経験を積んできた私たちにとって、大きな自信になった山です。
リフトで標高を稼げて道も歩きやすい唐松岳は、「そろそろ北アルプスへ」という方の1座目にぴったりだと思います。ただし稜線の上は立派な高山。装備の準備と最新情報の確認は、しっかり整えてお出かけくださいね。
